
アニメと言えば、原作が小説のものや漫画のもの、或いは、全てがオリジナルのものまであります。
幼児向けの作品もあれば、中高生向けの作品もあり、ストーリーに至っては、「死」という生きている者なら誰しもが避けて通ることのできない問題を取り扱うこともあります。
ここでは、そんな生と死を取り入れながらも、命について考えさせられる作品に触れたいと思います。
命の大切さを教えてくれるアニメ。ご存知でしょうか?
悲惨さと苦しみと……観ておきたい戦争アニメ!
戦争をテーマとしたアニメ作品と言えば『火垂るの墓』が有名ですが、おすすめしたい作品が他にもあります。
それが、2016年に公開された長編アニメ作品の『この世界の片隅に』です。
主人公の「すず」が戦時下にあっても懸命に生きていく姿が描かれており、嫁ぎ先である家族との衝突や壁、更には戦争に駆り出されていく人たちと残される人たちの抱く悲しさと、今生の別れとなってしまうことの苦しみの描写が戦争の悲惨さを物語ります。
戦争によって、それまで親しんだ町も見慣れた景色も様変わりし、すずを始め多くが絶望する状況も同時に描かれている為、途中で目を背けたくなることと思います。
逆に言えば、『この世界の片隅に』というアニメ作品を通してでしか知ることのできないものもあるのです。
戦争の時代を知らない現代の人たちにこそ、このアニメ作品を一つの切欠として観て欲しいと思える作品です。
特に、物語の舞台となっているのが広島なのもあって、実際にはその描写は少ないですが、光と同時に原爆が落とされる場面、無数の家屋が破壊されている場面も出てきます。
その当時、人はどのように生きていたのか、すずの目には何が映っていたのか、それらも観て欲しいポイントです。
涙が溢れて止まらない……小さな男の子と愛犬の物語!
戦争アニメから一転、こちらは海外の児童文学が原作となったアニメ作品です。
『フランダースの犬』は、貧しくても強く生きた少年と、その少年に最期まで付き添った名犬との悲しい友情物語です。
劇場公開ではなく、1975年にテレビアニメとして放送されたのが始まりです。
主人公のネロは、類稀な才能を絵に見出してはいましたが、貧しい暮らしであった為に、人から軽蔑の眼差しを受けたり、冷たい態度で扱われたりの日々を送っています。
そんなネロには、付き従う犬のパトラッシュがいるのですが、物語の最後には、ネロとパトラッシュは揃って悲しい結末を迎えてしまいます。
この作品を通して、彼らにとっての幸せや、身分が違うからという理由だけで蔑む人たちのことを含め、結局は何が正しく、何が間違っていたのか、最後まで救いはなかったのかを考えさせられます。